
ビジネスマンの皆様、本日もお疲れ様です。本記事では次世代通信基盤「IOWN」の何がすごいのかお伝えいたします。
最近ニュースでも見かけるようになった新たな通信インフラ「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」構想はどんなものなのでしょうか?
我々の生活にはまだまだ変化がないものの、遠くない未来では実現されうる技術が目の前に迫っています!
この記事では、IOWNの特徴や実現する未来、コア技術、ビジネスへの影響などを分かりやすく解説します。ビジネスを大きく変える可能性を秘めた次世代技術「IOWN」を理解することで新聞やニュースなども腹落ちできるのではないでしょうか!?
IOWNとは何か? 5Gを凌駕する次世代通信基盤
IOWNは「NTTが提唱する次世代の超高速通信基盤」です。光技術と無線技術を融合させることでこれまでのインターネット通信を飛躍的に進化させようとしています!

IOWNは、現在の5G通信では限界がある高速化やデータ処理能力の向上を実現しようとする次世代型通信基盤です。

通信速度や容量が劇的に良くなった通信インフラって感じで抑えとけばOKです!
現時点でも最速の通信規格である5Gは4Gと比べて「通信速度が最大100倍」「接続できるデバイス数も最大100倍」と大幅な性能向上を実現しています。しかし、5Gであってもますます増加するデータ量やリアルタイム処理の需要にはまだ十分に応えられないのが現状です。
そこで、NTTは2030年を目標に5Gを凌駕する超高速通信インフラの実現を目指す「Beyond 5G」としてIOWN構想を提唱しました。
IOWNの凄さは光技術と無線技術を組み合わせることでこれまでのインターネット通信を劇的に進化させる点にあります。この技術革新により「より効率的で」「低遅延なデータ通信」が可能になり、通信に依存する現代社会の根幹が大きく変わろうとしています。
IOWNが実現する未来とは
IOWN構想による最大の進化は通信速度と処理能力の飛躍的な向上です。特にリアルタイムでのデータ処理が大幅に高速化されることで、私たちの生活や社会にさまざまな変革をもたらすことが期待されています。
代表的な未来予想としては、次のようなものが考えられます。

日経新聞などでも次世代への取り組みが紹介されているので具体例を抑えておきましょう!
遠隔地でのリアルタイムでの医療操作・・・IOWNの超高速通信と低遅延により、医療現場から離れた場所でも高度な医療行為ができるようになる。遠隔地での手術支援や検査など、実現が難しかった医療サービスが提供されるようになる。
自動車の完全な自動運転の実現 ・・・自動運転には膨大なデータ処理能力と低遅延通信が不可欠。IOWNの高速通信によりリアルタイムでの安全確認がされ、人を目的地へと自動で送り届けるようになる。
リアルタイムのスマートシティの構築・・・ 交通量の可視化や都市インフラの制御など、IOWNが支える高速通信と大容量データ処理によってスマートシティ構想が大きく進む。
その他にも、オンラインゲームやインターネット上の作業など遅延の問題が解消され、私たちの生活がより便利でスムーズなものへと変化していくことが期待されます!
IOWNを支える3つの核心技術
IOWN構想を支えるのは次の3つの革新的な技術です。この技術によりIOWNのすごさに繋がります。
オールフォトニクス・ネットワーク(APN)
オールフォトニクス・ネットワーク(APN) とは、端末間を光信号のまま接続する技術です
ネットワーク全体を光技術で結ぶことで現代のインターネット通信の100倍以上の電力効率と125倍の伝送容量を実現します。光通信は電子技術に比べて圧倒的に高速でエネルギー効率も高いため、カーボンニュートラルにも期待されています。
デジタルツインコンピューティング
デジタルツインコンピューティングとは、現実世界のヒトやモノを仮想空間に再現する技術です。
この技術により災害時シミュレーションや交通状態の最適化など現実では実現が難しい分析が可能になります。また、高精度なシミュレーションを行えるため、新製品開発やプロセス改善にも活用できます。
コグニティブ・ファウンデーション
コグニティブ・ファウンデーションは、ネットワーク上の膨大なICTリソースを最適化し必要な情報を効率的に配信する技術です
この技術によりネットワークの過負荷を防ぎ、スムーズな情報処理を実現します。
これら3つの核心技術を持つIOWNだからこそ、「通信速度の飛躍的な向上」「エネルギー効率の大幅な改善」「リアルタイムデータ処理の実現」などすごくビックでIT従事者には夢のような可能性が広がっています!!
IOWNの凄さとは「通信速度が今よりも超絶早く」「リアルタイムでのデータ処理ができ」「そのエネルギー効率がとても良いこと」です
ここで今までのお話から「IWONが何がすごいのか」「既存通信規格に対してどのようにすごいのか」をQA形式でまとめました。
- QIOWNは5Gと比べて何が優れているの?
- A
IOWNは、光技術を活用することで、5Gよりも高速・低遅延・低消費電力の通信を実現します。これにより、リアルタイム性が求められる遠隔医療や自動運転などの分野での活用が期待されています。
- QIOWNの導入で私たちの生活はどう変わるの?
- A
IOWNの導入により、スマートシティの実現や、より快適なオンライン体験が可能になります。例えば、交通渋滞の緩和や、オンラインゲームの遅延解消などが挙げられます。
IOWNの実証実験と企業の取り組み
IOWN構想は単なる机上の空論に終わらせないようすでに実証実験が進められています!
2024年1月にはNTTとNECが「遠隔地でのリアルタイムの顔認証」や「交通量の可視化実験」を実施しました。また同年10月には、NTT comとミライセンスが「視覚・聴覚・触覚のリアルタイム転送技術」の実証実験に成功しています。
また、2024年11月にはNTTコミュニケーションズと北海道千歳市にてIOWN技術と利用して路線バス自動運転実証実験が実施されました。運転手不足による路線バス減便など社会課題にも取り組んでいます。
さらに、なんと2025年5月には大阪万博のNTTパビリオンにてIOWNを使ったPerfumeの3D映像を投影。目の前にご本人たちがいるかのような質感を実現しているとのことで、我々の生活にもグッと近づいてきています。
個人的に良かったパビリオンをいくつか抜粋
— nanaman (@nanaman_vrc) May 3, 2025
NTT
超低遅延/大容量通信のIOWNを使ったPerfumeの3D映像は、月並みな言葉ですが本当にそこに居るみたいな質感。
Vision Proの体験会を思い出すような感動でした。
最後に参加者は全身スキャンされるのですがイカゲームに出る人ってこんな感じなのかな〜と pic.twitter.com/PJ5vIWW16F
大阪万博の思い出
— 令和7年は新たな展開へ@God kazu😇 (@godkazu2017) May 17, 2025
私はNTTパビリオンを予約して行ったのですが、ZONE2のPerfumeの演出は旧万博会場(千里の万博記念公園)で披露した舞台をNTTの通信技術IOWNで夢洲の万博会場に立体空間を再現したものでした。音・立体映像・振動の3Dを実感できました(* ̄ー ̄)#大阪万博 pic.twitter.com/WuqiXR5GHM
さらに、NTT comではIOWNを通信基盤として活用し、分散データセンターでの生成AIの学習実験も行っています。生成AIでは膨大なデータのやり取りが必要とされるため、IOWNの高速通信技術が大きな威力を発揮すると期待されています。
また、IOWNの技術開発は単一企業の取り組みではなくグローバルな企業連合「IOWNグローバルフォーラム」によって推進されています。マイクロソフトやソニー、インテルなどの大手企業が参加しており、IOWNの可能性を世界規模で探っています。

このように、IOWN構想は着実に実現に向けて歩みを進めており、今後10年ほどでビジネスや生活に大きな変革をもたらすことが期待されています。
IOWNがもたらすビジネスへの影響
IOWN構想が実現すれば通信インフラを活用したさまざまなビジネスが生まれることが予想されます。特に以下のような分野での変革が期待されています。
1. スマートシティ・インフラ・・・IOWNの高速通信と大容量データ処理により、交通管制の最適化、インフラの遠隔監視、エネルギー需給の最適化など、スマートシティ構築に必要不可欠な要素技術が格段に進化
2. 遠隔医療・・・遠隔手術支援、リモートモニタリング、オンラインでの診断・処方など、IOWNの超低遅延通信によって医療の在り方が大きく変化
3. 自動運転・・・自動運転には膨大な情報処理能力と通信速度が求められるが、IOWNの技術によってより高度な自動運転の実現が期待。トヨタ自動車とNTTの取り組みにもIOWNが利用される想定
4. 生産性向上・・・工場の自動制御、リアルタイムシミュレーションなどIOWNが支える高速処理と低遅延通信によりさまざまな産業分野での生産性向上が期待
5. 新規サービスの創出・・・超高速・大容量通信によってこれまでにない新しいサービスやビジネスモデルが生み出される可能性がある。触覚や臭覚を含むバーチャル体験の提供など、想像を超えた革新的なサービスが登場するかも
IOWNはさまざまな産業分野に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。単なる通信インフラの進化にとどまらず、持続可能な社会の実現にも寄与することからますます注目を集めることが予想されます。
まとめ(要約)
IOWN構想は、NTTが提唱する次世代の超高速通信インフラです。光技術と無線技術の融合によって、これまでのインターネット通信を飛躍的に進化させようとするものとして期待されています。
通信速度と処理能力の大幅な向上により遠隔医療、自動運転、スマートシティなどの実現が期待されたり、低遅延通信技術の導入によりオンラインゲームや工場の自動制御など、リアルタイム性が重要な分野での変革も期待されていたりします。
IOWNを支える3つの核心技術「オールフォトニクス・ネットワーク」「デジタルツインコンピューティング」「コグニティブ・ファウンデーション」により、通信の高速化、省エネ化、リアルタイム処理が実現します。
すでに国内外の大手企業が参加する「IOWNグローバルフォーラム」で技術開発が進められており、10年以内にビジネスや生活に大きな変革をもたらすことが予想されています。
IOWN構想は、単なる通信インフラの進化にとどまらず、持続可能な社会の実現にも寄与する非常に重要な技術です。ビジネスの未来を見据える上で、IOWNの可能性を理解しておくことが不可欠でしょう。